アイスランド・エアウェイブス 2017
Iceland airwaves 2017
今年2017年で、私は5回目の参加になる、アイスランド・エア・ウエイヴスhttp://icelandairwaves.is/。毎年発見があり、どんどん好きになるが、今年は、バンド・レポート以外、アイスランドについて、気がついた事を綴ってみる。
アイスランドは、殆どが首都のReykjavík(レイキャヴィック)に固まっていて、エアウェイブズも勿論、レイキャヴィックで行なわれているが、今年から木曜と金曜のみ、Akureyri(アクレイリ)という、北地方でも行われるようになった。数は圧倒的に少ないし、アーティストは殆ど、地元のアイスランドだが、レイキャヴィック何度も来ている人は、町探索も兼ねて、次はアクレイリが良いかも知れない。私は、バンドを沢山みるのが目的なので、レイキャヴィックだったが、あっと言う間に、町を見尽くしてしまうのだ。
お昼は、オフ・ヴェニューという、年齢制限のないショーを色んな所でやっている。カフェ、バー、ビストロ、ホテル、銀行、ランドリー、博物館、ギャラリー、洋服屋、レコード屋など、スペースがあれば、何処でもという感じだ。バンドも1日中、何度も違う場所プレイするので、見逃しても、次また見れる。道を歩いていると、楽器を持ったミュージシャンに、沢山遭遇する。「よかったよ!」と声を掛け合ったり。
スケジュールは、見たいバンドをピックアップするのもいいが、場所を頭に入れないと、辿りつけない事が良くある。音が聞こえて、ふらっと中に入ると、バンドが良かったりするので、あまりスケジュール通りに、と根を詰めない方が良いし、時間厳守なので、予定も立てやすい。
オフ・ヴェニュー・ショーには、子供が多い。いつも一番前は、子供なのだ。こちらは子供を産む年齢が早く、22、23歳で子供がいる人達も少なくない。親が音楽を見たいので、子供達をショーに連れ出して、一緒に楽しむのだろう。そして、子供が、10代のやんちゃなラップ・グループを見て、彼らみたいな事をやりたいと思うと、直ぐに始められる環境にある。子供の頃からオフ・ヴェニューで、音楽感性を養っていると、これは自然な流れなのだろう。こちらのバンドやグループは、20歳で既に音楽経歴10年、というのも良くある話だ。冬は外に出る事もあまりないし(物凄く寒いし、日も短い)、家の中で出来る事を追求した結果なのだろう。だから、技術もどんどん上がるし、どのバンドを見ても、レベルが高いと感心した。また、若いミュージシャンを応援する、音楽大会があり、エアウエイヴスのバンド紹介を見ていると、何年度に、ーー音楽大会優勝などと、良く載っていた。文化的理解のある国、と思うが、この環境にいれば、疑問も湧かないのだろう。後、みんな、母国語のアイスランド語は勿論、5ヶ国語ぐらい話せる。英語はどこでも通じる。
アイスランドの印象は、みんなパーティに命をかけている。夜中の3時に、まだバーに入ろうと、行列を作るのだ。アイスランドの友達は、子供がいるので、いつも夜のショーには一緒に行けないのだが、子供を寝かしつけた後、夜中の12時ぐらいから出てくる。夜遊びは、育児のストレス発散にもなってるらしい。DJも大ノリで、マイクを持ってラップを始めたり、バーのスタッフさえ、揺れるライトをガンガン振って、常に観客を盛り上げている。アルコールは外でも飲めるし、IDチェックもバーではあったが、会場ではなかった。
バンドは今年は、トータル40ぐらいみた。好きだったのを下に挙げる。
Skelkur I bringu (アイスランドで一番イケてる(私意見)、DJ flugvel og geimskipのメンバーのバンド、初期ソニックユースみたいに生々しいhttps://www.facebook.com/skelkuribringu/)
Indridi (パンク・バンド、MUCKのメンバーのプロジェクト。テルミン奏者が可愛かったhttps://www.facebook.com/makrilindri/)
Dadi Freyr (ベルリン在住のアイスランド人の、おもちゃ的ギーク電子音楽https://www.facebook.com/dadimakesmusic/)
Floni (男子二人組のヒップホップ・ユニット、 https://www.facebook.com/pg/flonimusic/community/
Rugi (アイスランドの女子2人組のエレクトロ・ユニットhttps://www.facebook.com/RuGl-508405976019119/。)
Glintshake (Russia) (アヴァンギャルドでニュー・ウエイブなモスクワのロック・グループhttps://en.wikipedia.org/wiki/Glintshake)
Vagabon (Brooklyn, US) (マルチ・プレイヤーである、スキンヘッドの黒人女子が奏でる、パンクでアンビエントなポップ・ソングhttps://www.facebook.com/vagabonjour/)
Grimm Grimm (日本人男子の一人フォーキー・エレクトロhttps://www.grimmgrimm.com/)
Graveyard Club (ミネアポリスの、詩人的オルタナティブ・バンドhttps://www.facebook.com/graveyardclub/)
Jóipé x Króli (男子二人組のヒップホップ・ユニット、この形を良く見たhttps://www.youtube.com/embed/qIU9RkQV2xg)
去年からずっと追ってるのは、
1. GKR
(アイスランド語でラップするので全く分からないが、彼のセンスとリズム感、抜け感が最高。今回はDJとの2人組。https://www.facebook.com/GKROFFICIAL/)
2. JFDR
(Samaris, Pascal Pinon, Ganglyのメンバーでもある、エアウエイヴスで一番忙しいアーティスト。ビョークのような妖精的な声で、サウンドトラックのような音楽を奏でるhttps://www.facebook.com/jfdrcurrent/。
3. Pink street boys
(世界一うるさいバンドという異名を持つ彼ら。ライブが最高に楽しくて、エネルギーに溢れている。https://www.facebook.com/PinkStreetBoys/)
4.Mammut
(13歳からバンドをやっているだけあり(現27歳)、既にベテランの雰囲気を醸し出している、歌のうますぎるロックバンドhttp://www.mammut.is/。
5. Mr.Silla
(Mumの元メンバーだったSilla の美しい声に癒される。https://www.facebook.com/sillasilla/)
最終日は大嵐が来て、会場を行き来したいのに、雨風が強すぎて動けなかった。冗談じゃないほど、本当に風で飛ばさそうになるので、休み休みいかなくてはならない。ストリートに出ると、木も折れているし、次から次へと物が飛んでくる。レイン・コートを着て、レイン・ハットまで被っていたのに、下着までびしょぬれになった。アイスランドの人から言わせると、これくらいの嵐、どうってことない、と普通に音楽を楽しんでいた。中で楽しむのに慣れているから、わざわざ危険を冒して外へ行かなくても、という事なのか。欲張らないで、あるもので楽しむことを学んだ。KEXというホステルで最後のパーティがあり(シアトルのカレッジラジオKEXPと提携)、着飾った人たちが、どんどん集まってきた。これでパーティは最後。最初はDJ、レゲエ・バンドが途中で始まり、いい感じで盛り上がった所に、電源が落ちる。それでも、ドラムだけで15分ぐらいジャムり、最後はモニターだけが復活し、会場が一体になってダンスパーティになった。みんな笑顔。さっきも言ったが、あるもので楽しむという発想が、アイスランド的なのだろう。パフォーマーもオーディエンスも、どちらも楽しむことに本気だった。
Yoko Sawai
11/7/2017
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